エヴァの「リリン」とは何者か?第18使徒人類の真相とカヲルの真意
「リリン」という単語が視聴者に最も強烈な印象を与えたのは、テレビ版第弐拾四話で登場した渚カヲルの発言です。第17使徒タブリスでありながら人間の少年の姿を持つカヲルは、碇シンジと出会った夜、ウォークマンから流れる音楽を聴いて次のように口にしました。
「歌はいいね。歌は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ」
使徒は個体として完結した絶対的な生命力を持つため、他者と群れることも、心を通わせるための道具を作ることも必要としません。一方、肉体的に無力で心がバラバラに分断されたリリン(人間)は、他者との距離(A.T.フィールド)による孤独や苦しみを埋めるために言語、芸術、音楽といった「文化」を発展させてきました。
カヲルがシンジや人類に向ける眼差しは、単なる敵対者ではなく、自らの不完全さを抱えながら懸命に生きるリリンへの深い慈しみと敬意に満ちています。だからこそカヲルは、アダムとリリスの接触による全滅を避け、自らの死を選んでリリンに地球の未来を託しました。