送りハンドルとは?違反や検定減点の真相と正しい回し方
送りハンドルとは、ステアリングホイール(ハンドル)の外周を両手で保持しながら、左右の手を交差させることなく、送り出す動作と引き寄せる動作を交互に繰り返して操舵する手法を指す。欧米では一般的にプッシュプルステアリング(Push-Pull Steering)と呼ばれ、英国の上級警察官養成校や高度安全運転講習機関などでも公式採用されている歴史ある技法だ。
具体的な動作メカニズムは明快である。例えば右に旋回する場合、左手でステアリングの下部から上部へ押し上げ(プッシュ)、それと同時に右手はステアリングの上部から下部へ滑らせながら引き下げる(プル)。この一連の動作中、両腕が胸の前で交差することは一切ない。手を常に左右対称に近いポジションに保ちやすいため、走行中の車両挙動を手のひら全体で感知しやすい特性を備えている。
これに対して、日本の自動車教習所で基本として徹底指導されるのが、腕を大きく交差させて回す「クロスハンドル操作法」だ。日常会話で「送りハンドル」と呼ばれる動作のなかには、細かく小刻みにハンドルを弄ぶ「チョコマカ回し」や、手のひらの摩擦だけで回す「手のひら回し」と混同されているケースも多い。まずは、体系化された安全技術としてのプッシュプルと、単なる雑な手付きが世間一般で一緒くたに認知されている現状を切り分けて捉える必要がある。