畳の上にカーペットはNg?カビ・ダニ被害と後悔を防ぐプロの対策
賃貸住宅で和室を洋室風にカスタマイズしたい入居者にとって、最も警戒すべきリスクが退去時の精算金です。賃貸の畳部屋と原状回復には、法律上の明確な線引きが存在します。
国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、太陽光による畳の自然な日焼けや、経年劣化による変色は「通常損耗」とみなされ、修繕費用は貸主(大家側)が負担するのが原則です。しかし、同ガイドラインには例外規定が明記されています。「賃借人の手入れ不十分や不注意によって発生・拡大させたカビ・シミ」は、善管注意義務違反(過失)となり、入居者が全額実費を負担しなければなりません。
カーペットを敷いたことで生じたカビや湿気ジミは、まさにこの「手入れを怠った過失」の典型例として扱われます。一般的な和室6畳における修繕費用の目安は以下の通りです。
- 畳の表替え(ゴザ部分のみ交換):1畳あたり約5,000円〜8,000円(6畳で約3万〜5万円)
- 畳の新調(床材ごと全交換):1畳あたり約12,000円〜22,000円(6畳で約7万〜13万円)
- 特殊防カビ・消臭除菌施工:一式約30,000円〜50,000円
芯材である畳床まで菌糸が到達していた場合、表替えでは対応できず「全面新調」を余儀なくされます。さらに、カーペットのズレを防ぐ目的で多用される上敷き鋲によるカーペット固定にも注意が必要です。上敷き鋲の針穴自体は画鋲と同等として通常損耗の範囲に収まることが多いものの、鋲周辺に湿気が溜まって錆(サビ)が発生し、畳縁(たたみべり)に黒いサビ染みを作ってしまうと、部材交換費用を請求されるトラブルに直結します。