巌流島の咆哮から時代を超えて——2026年、なぜ私たちは再び「獄門鬼」マサ斎藤の生きた証に魂を揺さぶられるのか

巌流島の咆哮から時代を超えて——2026年、なぜ私たちは再び「獄門鬼」マサ斎藤の生きた証に魂を揺さぶられるのかの全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。

マサ斎藤の波乱万丈な生涯において、1984年のウィスコンシン州での逮捕劇、いわゆる「ケン・パテラ事件」に触れないわけにはいかない。濡れ衣に近い形で警察官との衝突に巻き込まれ、過剰防衛罪などで投獄されるという、プロのアスリートにとって選手生命の死を意味するような絶望的なアクシデントだった。

しかし、彼は刑務所の鉄格子のなかで腐ることなど毛頭なかった。看守や他の凶悪犯たちが息を呑むなか、彼は刑務所内のジムで凄まじいウェイトトレーニングに没頭。自らの肉体をさらに硬く、さらに分厚くビルドアップしていった。「ここで折れたら本当に終わりだ」——その鋼のメンタリティは、囚人たちの間で畏敬の念を生み、出所する頃には誰もが彼に敬意を払っていたという。

日本復帰後、漆黒のタイツを身にまとい「獄門鬼」の異名を冠してリングに戻ってきたときの姿を、誰が忘れられるだろうか。自らに襲いかかった災厄を燃料にして、さらに凶暴な怪屋として蘇る。逆境を言い訳にせず、正面から受け止めて倍返しにするその姿に、ファンは本物の男の凄みを見た。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。