「よしもない」の意味と漢字の正解!「術もない」との違いと使い方

「よしもない」の意味と漢字の正解!「術もない」との違いと使い方の全貌を詳しく解説してご紹介します。

日常会話や執筆の現場で最も混同されやすいのが、由もないと術もないの違いです。どちらも「手段がない」というニュアンスを含んでいるため同義語として雑に扱われがちですが、言葉が射程に収めている事象の性質は明確に異なります。

術もないの意味を辞書的に紐解くと、「術(すべ)」とは具体的なスキル、やり方、処置の方法を指します。つまり「術もない」は、目の前にある具体的なトラブルに対して「実務的なテクニックや打ち手が見つからない」という技術的・物理的な行き詰まりを表す際に用いるのが適切です。例えば、サーバーが物理的にクラッシュしてバックアップもない状況でエンジニアが頭を抱える場面は、まさに「復旧する術もない」状態といえます。

対照的に「由もない」は、物理的な処置以前の「情報へのアクセス権」「歴史的背景」「人間関係のゆかり」といった抽象的・根源的なルートが存在しない状況を指します。「その事象に近づくための糸口すら持ち得ない」というニュアンスを帯びる点が決定的な差異です。

項目詳細・意味のニュアンス一般的な基準・使われる文脈編集部の見解・評価由もない(よしもない)理由、根拠、縁、手がかりが一切ない。情報や因果関係の断絶。「知る由もない」「疑う由もない」など認知・認識の文脈。心理的・情報的な距離感を客観描写する際に最も高い格調を発揮する。術もない(すべもない)具体的な技術、方法、物理的処置の手段が尽きている状態。「防ぐ術もない」「逃げる術もない」など物理的・実務的アクション。実務トラブルや自然現象に対する対抗手段の欠如をストレートに伝える。べくもない〜できるはずもない、到底不可能であるという強い否定の確信。「比べるべくもない」「望むべくもない」など比較や願望の否定。書き言葉として非常に重厚だが、日常会話で多用すると古風に過ぎる。知りようがない知覚・把握するためのプロセスが物理的・時間的に遮断されている。口頭会話、日常的な報告、一般的な情報伝達のやり取り。口語表現として自然であり、聞き手に違和感や気取った印象を与えない。
加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。