鳥と虫、そして人間へ――気候危機と食糧不安の2026年、なぜ古の知恵「三粒の種」が世界を揺さぶっているのか

鳥と虫、そして人間へ――気候危機と食糧不安の2026年、なぜ古の知恵「三粒の種」が世界を揺さぶっているのかにまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

もうひとつの震源地は、種そのものをめぐる権利の闘争だ。世界的な種子企業の買収劇が進み、自家採種が法的に制限される中で、固定種や在来種と呼ばれる「命を繋げる種」の価値が暴騰している。

山形や岐阜の山間部に残る在来作物を守り継いできた長老たちのもとへ、全国から若者が押し寄せている。彼らが求めているのは、遺伝子組み換えでも特許付きの種子でもない。何世代にもわたって土地の風土に寄り添い、環境の変化に耐え抜いてきた野生の記憶だ。

「種は企業の持ち物ではなく、地球のコモンズ(共有財産)だ」。東京・吉祥寺の片隅で週末ごとに開催される「種子交換会」の主催者は語る。そこでは金銭のやり取りは介在しない。自分が育てた野菜から採った種を誰かに渡し、見知らぬ誰かが持ってきた種を持ち帰る。ここでも合言葉のように呟かれるのは、分け合いの哲学だ。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。