スーツの3つボタンは全部留めるな!正しい掛け方とダサい噂の真相

スーツの3つボタンは全部留めるな!正しい掛け方とダサい噂の真相に関する深掘り解説を詳しく解説いたします。

3つボタンスーツの着こなしで最も混乱を招きやすいのが、「通常の3つボタン」と「段返り(だんがえり)3つボタン」の構造的差異です。ジャケットの襟(ラペル)のロール具合を確認しなければ、意図せず不作法な留め方をしてしまうリスクがあります。

まず、第1ボタンから平面的に襟が折れているクラシックな通常タイプでは、「上2つ掛け」または「中1つ掛けルール」が適用されます。Vゾーンを適度に引き締め、誠実で重厚な印象を与えたい場合は上と真ん中の2つを留めます。より軽快かつモダンに見せたい場合は、真ん中の第2ボタンのみを留める「中1つ掛け」が最適です。どちらの場合も、一番下の第3ボタンは絶対に開けたままにしておくのが鉄則です。

一方、近年の本格派スーツやイタリア仕立て、アメリカン・トラディショナル(アメトラ)で圧倒的な支持を集めるのが段返り3つボタンです。この構造では、第1ボタンがラペルの裏側に埋まり込むように縫製され、襟のふんわりとしたロールの一部になっています。段返り仕様の場合、第1ボタンホールは「装飾」として設計されているため、留めるべきは真ん中の第2ボタンのみです。一番上のボタンを無理やり留めてしまうと、職人が丹念にアイロンワークで仕上げた襟の優美な返りが押し潰され、服の命ともいえる立体感が失われてしまいます。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。