境界性パーソナリティ障害の恋愛心理|急変する態度と長続きの秘訣
境界性パーソナリティ障害の恋愛で急に態度が一変するのは一体なぜなのか。昨日までの深い慈愛が、些細なきっかけで冷酷な敵意や激しいパニックへと反転する背景には、防衛機制の一つである「理想化と脱価値化(スプリッティング)」が存在します。
通常、人は他者に対して「長所もあれば欠点もある」という統合された人間像を抱きます。しかし、境界性パーソナリティ障害の当事者は、心の中に抱える圧倒的な恐怖から自身を守るため、物事を「100点か0点か」「完全な善か完全な悪か」という白黒思考でしか捉えられなくなります。
交際初期、当事者はパートナーを「自分を過去のトラウマや孤独から救い出してくれる完璧な救済者」として極限まで理想化します。この段階では、過剰なほどの賞賛と献身が注がれます。しかし、パートナーがほんの少し連絡を怠ったり、自分の思い通りにならない反応を示したりした瞬間、「この人も私を裏切る敵だった」という認知の急反転が起こり、一気に脱価値化へと突き落とされます。
この激しい攻撃や拒絶の奥底にあるのは、憎しみではなく「見捨てられ不安」です。「相手に見捨てられて自分が崩壊してしまうくらいなら、いっそ自分から相手を破壊して関係を終わらせてしまいたい」という無意識の防衛本能が、激しい暴言や突然の別れの宣告という形で噴出してしまうのです。