オードリーとメーテルを宿す気品、声優・池田昌子の知られざる軌跡
池田昌子の演技の幅広さを証明するもうひとつの代表作が『エースをねらえ!』の竜崎麗香(お蝶夫人)だ。誇り高く、妥協を許さない気高きテニスプレイヤー。その苛烈なまでの美学と、ふと見せる人間的な脆さを演じ分けた手腕は、当時のアニメ界に強い衝撃を与えた。
彼女の洗練された演技の基礎には、長年にわたる舞台経験と、日本を代表する独立系芸能事務所である東京俳優生活協同組合(俳協)でのたゆまぬ研鑽がある。協同組合という独自の組織で仲間とともに切磋琢磨しながら、声の表現者としての確固たる地位を築き上げていった歴史は、後進の声優たちにとっても大きな道標となっている。