東海北陸厚生局の全貌2026|施設基準とマトリの実態から個別指導対策まで
保険医や医療機関経営者にとって最大の関心事ともいえるのが、指導監査課による「集団指導」「個別指導」「監査」の動向です。
個別指導の対象となる医療機関は、主に以下の基準で選定されます。
- レセプト平均点数が高い医療機関(高点数選定):同診療科・同規模グループの中で、1人あたり請求点数が上位に位置する医療機関。
- 患者や元従業員等からの情報提供(告発・タレコミ):無診投薬、水増し請求、カルテ改ざんなどの具体的な情報提供があった場合。
- 新規開設後の定期指導:保険医療機関の指定を受けてから一定期間(おおむね1年以内)が経過した施設。
個別指導の当日は、指定された数十名分の患者カルテ、レントゲン画像、検査結果、看護記録などの原本を持参し、厚生局の医療技官および事務官と対面で面接が行われます。
【プロの結論】コンプライアンス管理とカルテ記載における構造的リスクの教訓
個別指導で「指導(再指導)」や「自主返還」を命じられる医療機関の多くは、悪意を持った不正請求ではなく、「カルテ記載の省略」や「医学的必要性の証明不足」という組織的なルーズさに起因しています。
日本の医療現場では、多忙さを理由に「定型文のコピー&ペースト」や「検査値の経過に対する考察不足」が常態化しがちです。しかし、厚生行政の監査において「カルテに書かれていない処置や指導は、行っていないものとみなす」のが絶対原則です。
形式的な診療報酬点数稼ぎに走るのではなく、「なぜこの検査が必要だったのか」「患者にどのような療養指導を行ったのか」を第三者が読んでも明確に理解できるように記録する──。この基本姿勢を医師・看護師・医療事務が一丸となって徹底することこそが、最大の防衛策となります。