池江璃花子を襲った病気の全貌と闘病記|白血病克服と2026年の現在地
詳細を見る時期・フェーズ身体状態・治療内容競技活動・目標設定専門的見解・分析闘病期
公表直後から開始された治療は、常人の想像を絶する過酷なものでした。白血病治療の基本となるのは、徹底的な抗がん剤投与による化学療法です。がん化した白血病細胞を叩く過程で、正常な細胞も大きなダメージを受けるため、激しい吐き気、全身の倦怠感、激しい頭痛、そして脱毛といった過酷な副作用が彼女の身体を容赦なく襲いました。
後のドキュメンタリー番組や手記で語られたところによると、最も辛い時期には「ベッドから起き上がることすらできず、窓の外を眺めながら『死にたい』と口にしてしまうほどの苦痛」に苛まれたと告白しています。食事を受け付けず、日に日に痩せ細っていく自身の腕や脚を見ることは、筋肉を極限まで鍛え上げてきたアスリートにとって、精神的なアイデンティティを削られるような過酷な体験でした。
さらに治療の過程で合併症が発生したため、より根治性の高い「造血幹細胞移植(骨髄移植など)」へと治療方針がシフトされました。移植に伴う拒絶反応(GVHD)や感染症のリスクを抑えるため、極限まで無菌管理された病室での完全隔離生活を余儀なくされます。家族ともアクリル板越しでしか面会できない孤独な戦いの中、彼女を支えたのは「もう一度プールに戻りたい」という原初の純粋な渇望でした。
過酷な治療スケジュールを一つひとつ乗り越え、白血病細胞が検出限界以下となる「完全寛解」を達成。2019年12月17日、約10ヶ月(300日以上)におよぶ入院生活を経て、待望の退院が公式発表されました。