桂歌丸の若い頃は驚きの美男子!壮絶な下積みと名跡襲名の真相
生い立ちは苛烈を極めた。横浜市中区真金町、かつての遊廓街で生まれ育った歌丸(本名・椎名九平)は、幼少期に父を亡くし、祖母の手で育てられた。空襲の炎の中を逃げ惑い、終戦後の混沌とした下町で耳にしたラジオの落語に心を奪われ、中学生にして噺家への道を志す。
1951年、五代目古今亭今輔に入門して「古今亭今児」を名乗ったものの、前座修行は厳しさを極めた。師匠との衝突から一度は落語界を離れざるを得ない事態に追い込まれる。噺家としての道を断たれた期間は、ポーセリン(磁器)の絵付け工場で働き、靴磨きや紙芝居の手伝いで日銭を稼ぐ日々。それでも落語への情熱を捨てきれず、貪るように古典の台本を読み耽っていたという。