「やりがい」を人質に取る社会の限界。若者を追い詰める搾取の新たな手口と、私たちが手に入れるべき「逃げる技術」
「好きなことを仕事にできているのだから、多少の無理は我慢すべきだ」という同調圧力。これこそが、多くの労働者を沈黙させる最大の呪縛である。特にクリエイティブな職種やエンターテインメント業界において、この傾向は顕著だ。憧れの業界に入り込めたという高揚感は、次第に「代わりはいくらでもいる」という恐怖心へとすり替わっていく。
結果として、残業代の出ない深夜労働や、休日を返上したイベントへの自主参加が「自発的な努力」として処理される。経営側は手を汚すことなく、労働者の自己犠牲精神にただ乗りする。この構造の中では、真面目で責任感が強い人ほど、自らを限界まで追い詰めてしまう皮肉な結果を招くのだ。