急な葬儀でも迷わない!喪服ネクタイ結び方とくぼみNgの真相
ネクタイの着用マナーには、インターネット上で誤った情報や古い慣習が独り歩きしているケースも少なくない。ここで代表的な3つの誤解を正しておきたい。
1. 「お葬式ネクタイピン」の罠|真珠やブラックオニキスならOK?
ネット上の一部記事では「真珠付きやブラックオニキス(黒瑪瑙)のネクタイピンなら弔事でも着用可能」と紹介されていることがある。しかし、これは大きな誤解を招きやすい情報だ。
男性の礼装において、真珠のタイピンが許容されるのは原則として社葬などで特定の役割を持つ主催者側や、ごく限定された格式のケースである。一般の参列者に関しては、「金属や光り物は一切身につけない」のが現代の揺るぎない共通認識だ。どうしても作業等でネクタイの揺れを止めたい場合は、ジャケットのボタンを留めて隠すか、ワイシャツのボタンの隙間に小剣を通すなど、外から見えない工夫を施すのが賢明だ。
2. ジッパー式(ワンタッチ式)ネクタイは「手抜き」でマナー違反か?
あらかじめ結び目が固定されており、首回りのループをジッパーで調整する「ワンタッチタイ」。かつては「手抜き」「安っぽく見える」と敬遠される風潮もあったが、現在の製品は縫製技術の向上により、外見から手結びかワンタッチタイかを見分けることはプロでも極めて困難になっている。
ワンタッチタイの最大の利点は、「確実にディンプルのない、完璧に整った結び目が瞬時に完成する」という点にある。急な出先で動揺しながら不格好に結ぶくらいであれば、弔事用として設計された黒のワンタッチネクタイをバッグやオフィスの引き出しに常備しておく方が、現場でのリスクマネジメントとしてはるかに合理的だ。
3. 黒色なら「無地」に見える柄入りでも通るか?
「遠目には無地に見えるから」と、黒地に黒のストライプ(織り柄)や市松模様のネクタイを着用していく人が後を絶たない。しかし、葬儀場の強いダウンライトの下や焼香台の前では、生地の凹凸による反射で模様がはっきりと浮き彫りになる。完全な「無地」と「織り柄入り」の差は、会場内では一目瞭然だ。弔事用には一切の幾何学模様を排した、完全な黒無地(ソリッドタイ)を用意しなければならない。