イラク人質殺害事件の闇と新証言:自己責任論が隠した未公開記録
犯行を主導したのは、後に過激派組織IS(イスラム国)の母体となる「統一と聖戦組織」であり、その頂点に君臨していたのがアブー・ムスアブ・アッ=ザルカーウィーだった。彼の狙いは金銭ではなく、国際社会に対する無差別な示威と心理的テロリズムにあった。
ザルカーウィーらは人質を単なる交渉カードではなく、世界中に恐怖を拡散するための「メディア兵器」として利用した。インターネット上に処刑映像をばら撒くという前代未聞の劇場型テロは、従来の国家間交渉の枠組みを根底から破壊した。冷酷な狂信者を前に、非軍事的な外交交渉だけで事態を打開することは当初から不可能に近かったと言わざるを得ない。