出流山満願寺の全貌|鍾乳洞の奥之院から出流そばまで徹底取材
出流山満願寺の開創は、天平神護元年(765年)に遡ります。開山したのは、後に霊峰・日光山を開くことになる高僧・勝道上人(しょうどうしょうにん)です。上人は出流の地で生まれ、幼少期より仏道を志してこの地で過酷な修行を重ねました。ある日、奥之院の岩窟で修行中に千手観音の霊感を授かり、自ら尊像を彫って開山したと伝えられています。
宗派は高野山真言宗に属し、本尊は「千手千眼観世音菩薩」です。古来より弘法大師(空海)や源頼朝、徳川将軍家からも篤い信仰を集め、武運長久や領内安寧の祈祷所として重用されてきました。坂東三十三観音霊場の第17番札所として定められて以降は、江戸の町民から現代の巡礼者に至るまで、途切れることなく白装束の巡礼者が足を運ぶ祈りの聖地となっています。
本堂(大御堂)に鎮座するご本尊をはじめ、境内には仁王門や薬師堂、鐘楼など荘厳な伽藍が点在し、一歩足を踏み入れるだけで下界の喧騒を忘れさせる静謐な空気が漂っています。