あっちょんぶりけの本当の意味と語源!手塚治虫が明かしたピノコの秘密
愛らしい口癖を持つピノコですが、その誕生の経緯と年齢設定には、医療マンガ史に残る重厚な人間ドラマが秘められています。
ピノコは通常の出産によって生まれた人間ではありません。双子の姉の体内に18年間寄生していた腫瘍、すなわち「奇形嚢腫(きけいのうしゅ)」と呼ばれる肉塊の中に、脳や内臓、手足のパーツがバラバラに詰まった状態で生きていました。誰もが処置を諦める中、ブラック・ジャックが超人的な手術によってそれらの器官を取り出し、合成樹脂で作った人工の身体骨格と皮膚に収めることで人間としての形を得たのです。
身体の構造上、幼児体型から成長することはできませんが、姉の体内で18年間生きていたため、精神的・医学的な実年齢は「18歳」(作中の経過とともに20代へ)として設定されています。自らを一人前の女性であり「ブラック・ジャックのおくたん」と主張して家事を甲斐甲斐しくこなす姿と、無邪気に「あっちょんぶりけ」と叫ぶ姿のギャップには、過酷な運命を乗り越えて生きる生命の尊さが凝縮されています。