スペイン広場の階段は座る禁止?罰金の理由と2026年現地最新事情
ローマ屈指の観光地であるスペイン広場において、階段に腰掛ける行為が明確に禁止されたのは2019年夏に施行されたローマ市の新警察条例がきっかけだ。それ以前から階段での飲食やポイ捨ては禁止されていたが、マナー違反の横行や観光客の激増に歯止めがかからず、市当局は「階段への着席そのもの」を全面的に禁止する強硬手段に踏み切った。
この厳しい規制が導入された最大の理由は、18世紀に建造された歴史的大理石の保護にある。スペイン階段(正式名称:スカルリナータ・ディ・トリニタ・デイ・モンティ)は、高級宝飾品ブランド「ブルガリ」の多額の寄付によって2015年から約1年半をかけた大規模な修復工事が行われた。しかし、修復完了後もタバコの吸い殻のポイ捨てや、ワイン・コーヒーなどのシミ、ガムの吐き捨てによる石材の侵食が後を絶たなかった。
歴史的モニュメントを単なる休憩スポットや野外レストランのように扱う行為を防ぎ、遺産の尊厳と美観を後世に残すための苦渋の決断だったといえる。現在、階段に座り込んだ場合は250ユーロ、さらに階段を汚したり傷つけたりする悪質な行為が認められた場合は最高400ユーロの過料が科される規定となっている。