麻原彰晃の死刑執行当日の全真相と遺骨の現在|オウム幹部13人の記録
公判中の麻原彰晃が見せた異常な言動について、インターネット上や一部の言論では「最初から完全な精神疾患(心神喪失)であり、裁判を受けられる状態ではなかったのではないか」という疑問が今なお語られることがあります。しかし、公判記録と精神鑑定の詳細を検証すると、異なる実態が浮かび上がります。
東京地裁の第一審において、麻原は当初こそ教義の正当性を主張する長時間の陳述を行っていましたが、弟子たちが次々と自白し自身に不利な証言を始めると、突如として英語の混じった不規則発言を繰り返し、やがて法廷で完全に沈黙・居眠りをするようになりました。裁判所が依頼した複数の著名な精神医学者による精神鑑定の結果、下された診断は一貫して「拘禁反応は見られるものの、訴訟能力を喪失した精神病ではなく、自らの意思で沈黙を選択している『詐病(さびょう)』」というものでした。
面会室では刑務官に対して小声で日常的な要求を伝えたり、自身に都合の悪い質問に対してのみ無反応を装ったりするなど、極めて計算高い防御反応を示していたことが記録に残されています。自らが築いた虚構の王国が法廷で論破される現実から逃避し、責任能力の欠如を装うことで死刑判決を免れようとした「自己防衛の沈黙」であったというのが、司法と医学界の厳密な結論です。