キャシー中島の娘たち|若くして逝った長女の想いと家族が紡ぐ現在
勝野家の歩みを語る上で欠かせないのが、家長である夫・勝野洋さんと、手芸家・デザイナーとして活躍する長男・勝野洋輔さんの存在だ。
無骨でありながら深い情愛を持つ勝野洋さんは、妻が泣き崩れる日々を黙って抱きとめ、一家の柱として立ち続けた。男親としての苦悩を胸の奥に秘め、家族が笑顔を取り戻す日を信じて守り抜いた包容力は、勝野家の揺るぎない土台となっている。
また、フランスで手芸と刺繍の技術を学び、帰国後は独自のクリエイティブを展開する勝野洋輔さんも、母や妹とともにものづくりの世界で共鳴し合っている。家族それぞれが異なるアプローチで「手仕事」と向き合い、作品を生み出すプロセスそのものが、失われた時間を埋めるための癒やしの儀式でもあったのだ。