『タッチ』和也死亡の真相と最終回のその後!Mixへ繋ぐ伏線徹底検証
物語のクライマックスにおいて、あだち充が選んだ演出は極めて異例かつ前衛的なものでした。従来の熱血スポーツ漫画であれば、甲子園全国大会の決勝戦を何週にもわたって劇的に描写するのが王道です。しかし『タッチ』の原作漫画において、甲子園決勝の試合描写そのものは完全に省略されています。
最大の山場として描かれたのは、甲子園予選西東京大会決勝における宿敵・新田明男率いる須見工業との延長10回に及ぶ激闘(5-4で明青学園がサヨナラ勝利)でした。甲子園本大会に進出した後、達也の投球フォームや激戦のスコアボードがコマの背景として断片的に描かれるのみで、気付けば明青学園は全国制覇を達成。最終回の見開きには、ただ静かに「全国高等学校野球選手権大会 優勝」の盾と、達也が持ち帰った優勝皿が映し出されるのみでした。
そして多くのファンが最も知りたがっているのが、甲子園優勝を果たした後の上杉達也と浅倉南の結婚やその後の生活です。原作の最終局面において、達也は河原で南に対し「上杉達也は浅倉南を愛しています。世界中の誰よりも」という歴史的名告白を遂げ、南もそれを受け入れます。
ただし、原作の最終ページで二人の華燭の典(結婚式)が描かれることはありませんでした。この余白について、アニメ版のテレビスペシャル『タッチ Miss Lonely Yesterday あれから、君は…』や劇場版『タッチ CROSS ROAD〜風のゆくえ〜』では、大学進学後に新体操の道を歩む南と、大学野球で挫折を味わいアメリカのマイナーリーグへ挑戦する達也のすれ違いと再会が描かれました。公式設定として二人が明確に婚姻届を提出した描写は存在しないものの、あだち充の描く空気感において、二人が生涯にわたって不可分な魂のパートナーであり続けていることはファンの共通認識となっています。