渋柿が絶品スイーツに化ける!さわし柿の失敗しない作り方と科学の真相
「柿が赤くなると、医者が青くなる」という古くからのことわざが示す通り、柿はビタミンCをはじめβ-カロテン、食物繊維やカリウムを豊富に含む極めて栄養価の高い果実です。しかし、木からもぎ取ったばかりの渋柿をそのまま口に含めば、舌全体が麻痺するような強烈な渋みに襲われます。この渋柿に人為的な処理を施し、トロリとした上品な甘さに変化させたものを一般に「さわし柿」と呼びます。
地域によっては「合わせ柿(あわせがき)」や「樽柿(たるがき)」とも呼ばれますが、これらは基本的に同じ製法や目的を指す別称です。「さわす」という言葉は、古語の「さわす(水や酒に浸して柔らかくする、渋を抜く)」に由来しており、主に関西や北陸、東北地方で親しまれてきました。一方、西日本の一部では酒樽に詰めて渋を抜いた歴史から「合わせ柿」と呼ぶ傾向があります。
さわし柿の代表格として全国的に知られるのが、種のない平たい形状が特徴の「平核無(ひらたねなし)」や、山形県庄内地方で名高い「庄内柿」、新潟県で「八珍柿」と呼ばれる不完全渋柿です。新潟や山形の産地関係者が語るように、さわし柿は後味がすっきりと抜け、甘柿特有のくどさがない洗練された甘みと、滑らかな果肉の口当たりを誇ります。一度その奥深い風味を知ると「甘柿よりもさわし柿のほうが格段に美味しい」と熱烈に支持する愛好家が後を絶ちません。