アフガニスタン日本人処刑の噂は本当か?過去の事件と最新情勢の真実
デマが真実味を帯びて受け止められてしまう根底には、日本社会に深いトラウマを刻み込んだ中東での凄惨な人質殺害事件の記憶があります。その代表例が、2015年にシリアで発生した過激派組織「イスラム国(IS)」による日本人人質事件です。
当時、オレンジ色の囚人服を着せられた日本人ジャーナリストの後藤健二さんと、民間軍事会社関係者の湯川遥菜さんが拘束され、世界中に向けて脅迫映像が公開された末に斬首・殺害されました。覆面の戦闘員「ジハーディ・ジョン」がナイフを突きつける映像は、テレビのワイドショーやインターネット中継を通じて日本全国に生々しく放映され、「中東=日本人が処刑される地域」という強烈な視覚的トラウマを国民の深層心理に植え付けました。
また、歴史を遡れば2004年のイラク日本人人質事件において、当時24歳の日本人旅行者が武装勢力「イラクの聖戦アルカイダ組織」に拉致され、首を切断されて殺害される凄惨な事件も起きています。これらの凄惨な記憶が、同じイスラム圏の紛争地であるアフガニスタンの情勢不安と脳内で結びつき、「アフガニスタンで日本人が処刑された」という誤った記憶のすり替えを生み出しているのです。