なんでも鑑定団でお宝を壊す事故は実在?弁償と保険の真相を暴く

なんでも鑑定団でお宝を壊す事故は実在?弁償と保険の真相を暴くについて分かりやすく解説いたします。最新の情報をご確認ください。

華やかなスタジオ収録の裏側で、美術品がいかに扱われているかは一般の視聴者には見えにくい部分です。美術品オークション関係者および番組の現場スタッフによると、そこには美術館展示に匹敵する厳格なオペレーションが存在します。

陶磁器や絵画を扱う際、鑑定士は必ず指紋や皮脂を防ぐ白綿グローブを着用し、指輪や時計などの装飾品を外すことが義務付けられています。高麗青磁や柿右衛門などの名品を扱う際は、万が一の落下に備えて机の上にフェルトや厚手のネル生地が敷かれ、衝撃を吸収する処置が施されます。また、持ち上げる高さも天板から数センチ以内に制限されるのが基本動作です。

ネット上の掲示板や知恵袋では時折、「鑑定士が手荒に扱って依頼人が青ざめていた」といった書き込みが見られます。しかし、これは鑑定士が「真贋を見極めるために底面の高台(こうだい)をルーペで凝視する」「釉薬の弾きや補修跡を触診する」プロ特有の素早い所作が、素人目には乱暴に見えてしまうことによる認知の歪みです。

プロの鑑定士ほど、対象物の重心、脆い接合部、過去の修復痕(共継ぎや金継ぎ)を一瞬で見抜き、最も負荷のかからないホールド位置を直定します。事故が起きないのは、運が良いからではなく、長年の鑑識眼に基づく無駄のない身体操作に支えられているからです。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。