ショートスリーパー堀大輔の嘘と真実|1日30分睡眠の疑惑と評判を追う

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堀氏のメソッドを検討する上で、避けて通れないのがショートスリーパー 科学的根拠の検証です。現代の睡眠医学において、自他共に認める「真のショートスリーパー(自然に4〜5時間以下の睡眠で健康を維持できる人)」は、全人口の1%未満に過ぎないとされています。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のイン・フイ・フー教授らの研究チームは、遺伝子「DEC2」や「ADRB1」などの変異を持つ家系において、短時間睡眠でも認知機能や健康が維持されるメカニズムを発見しました。医学界における主流の見解は「ショートスリーパーは遺伝的体質によるものであり、後天的な訓練で無理に睡眠を削ることは推奨されない」というスタンスです。

慢性的かつ無理な睡眠不足(睡眠負債)は、免疫力の低下、心血管疾患リスクの上昇、認知機能の低下、肥満や糖尿病の発症リスクを高めることが数多くの疫学研究で実証されています。この点において、堀氏の主張する「後天的短眠」は、既存の医学的定説と大きな隔たりがあります。

しかし、心理学や認知行動療法の観点から堀氏の理論を分析すると、興味深い側面も見えてきます。不眠症治療に用いられる「睡眠制限療法(ベッドの中にいる時間を意図的に制限し、睡眠効率を高める手法)」と、ネイチャースリープの「ダラダラ寝ない」「眠くなってからベッドに入る」という指導法には一定の共通項が存在します。受講生が実感する活力の向上には、プラセボ効果や「時間をコントロールできている」という強い自己効力感(セルフ・エフィカシー)がポジティブに作用している側面も否定できません。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。