毛新宇の現在と死亡説の真相|毛沢東の孫の軍内格差と習近平との距離

毛新宇の現在と死亡説の真相|毛沢東の孫の軍内格差と習近平との距離に関する主要なデータを詳しく解説いたします。

毛新宇を巡るネット上の言説の中で、とりわけ衝撃を与えたのが「北朝鮮バス転落事故による死亡説」でした。この噂は2018年4月、中国から北朝鮮の黄海道を訪れていた観光ツアーのバスが橋から転落し、中国人観光客32人、現地スタッフ4人が死亡した凄惨な事故を契機に発生しました。

当時、海外の華字ネットメディアや台湾メディアの一部が「乗客リストに毛沢東の孫・毛新宇が含まれていた」「朝鮮戦争で戦死した伯父・毛岸英の墓参りに訪れていた」と相次いで報じたことで、疑惑は一気に世界中へ拡散しました。折しも金正恩朝鮮労働党委員長(当時)が異例の対応として負傷者が収容された病院へ直接見舞いに訪れ、遺体を送還する特別列車を平壌駅で見送るなど国家最高レベルの弔意を示したため、「犠牲者の中に要人がいたに違いない」という憶測に拍車をかけたのです。

しかし、この情報は完全なデマでした。事故から約2週間後の2018年5月4日、中国船舶工業集団(CSSC)と軍事科学院による学術フォーラムの場に、軍服姿の毛新宇が元気に出席している公式写真が公開されました。さらに、直後の親族への取材でも「毛新宇は北朝鮮を訪問しておらず、北京の職場にいた」と公式に否定されています。

なぜこれほど荒唐無稽なフェイクニュースが定着しかけたのか。その背景には、朝鮮戦争において毛沢東の長男である毛岸英が国連軍の空爆で戦死しているという歴史的記憶と、「毛家の人間が関わっているはずだ」という大衆の心理的連想が結びついたことがあります。反体制系メディアによる意図的な情報操作と、習近平体制下で姿を見せなくなっていた毛新宇のミステリアスな存在感が掛け合わさった結果、生み出された虚構でした。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。