岡田准一版『白い巨塔』徹底検証|唐沢版との比較と賛否の真相
本作が放送された直後、ソーシャルメディアやレビューサイトのタイムラインは真っ二つに割れました。肯定派が「スピーディーで一気に見せるサスペンス」「岡田准一の気迫に圧倒された」と評する一方で、検索サジェストには「白い巨塔 岡田准一 ひどい 理由」といった不穏なキーワードが急浮上したのです。この激しい摩擦はどこから生じたのでしょうか。
最大の要因は、全21話・2クールをかけて濃密に人間ドラマを紡いだ2003年の唐沢寿明版との「尺の圧倒的な差」にあります。テレビ朝日開局60周年記念の特別企画として制作された岡田版は、5夜連続・正味10時間未満。山崎豊子の長編小説が持つ膨大なエピソード、すなわち教授選の根回しから医療過誤裁判、浪速大学医学部内部の権謀術数までを猛烈なスピードで駆け抜けました。
その結果、法廷闘争における被害者・佐々木一家(柳葉敏郎、岸本加世子ら)の心理描写や、若手医師・柳原(満島真之介)の葛藤がダイジェスト気味に映ってしまい、旧作の重厚な心理サスペンスを記憶するオールドファンから「軽薄に感じられる」「展開が駆け足すぎる」という不満が噴出することになりました。
さらに、主演を務めた岡田准一自身のパブリックイメージも影響を及ぼしています。格闘技やアクションで研ぎ澄まされた強固なフィジカルと眼光の鋭さは、これまでの「白衣の奥に虚無と知性を秘めた財前」とは異なり、獲物を狙う野心的な軍師のような力強さを放っていました。このアプローチが、伝統的な象牙の塔の医師像を求めた層に違和感を与えた側面は否定できません。