遠野なぎこ朝ドラ『すずらん』ヒロインの真実|過酷な現場と母娘葛藤の光と影
遠野なぎこは決してポッと出のシンデレラガールではありませんでした。彼女のキャリアは幼少期に端を発しており、下積みに裏打ちされた確かな実力派でした。
1990年代初頭から子役として活動を開始し、特撮ドラマ『鳥人戦隊ジェットマン』や『電光超人グリッドマン』などに出演。一躍業界内でその名を知らしめたのが、1995年のTBS系名作ドラマ『未成年』(野島伸司脚本)です。傷つきやすい思春期の少女の危うさと純粋さを生々しく体現し、視聴者や演出家に鮮烈な印象を与えました。
朝ドラ『すずらん』のオーディションでは、数百人に及ぶ応募者のなかから、審査員を満場一致で唸らせてヒロインの座を射止めました。単なるアイドルのような可愛らしさではなく、「哀しみと凛とした強さを同時に宿す瞳」が、大正・昭和を生き抜く常盤萌のキャラクター像と完全に合致したためです。
その後、2001年に公開された熊井啓監督の映画『日本の黒い夏─冤罪』では、松本サリン事件に巻き込まれる女子高生役を鬼気迫るリアリティで演じ、第11回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。映画関係者や批評家からは「同世代のなかで群を抜く憑依型女優」「役柄の苦悩を己の肉体に刻み込んで演じる本物の表現者」と極めて高い評価を獲得しました。