浜木綿子の息子・香川照之の現在|東大・確執から2026年の家族愛まで
父の顔を知らずに育った香川照之さんですが、大学卒業後に俳優の道を歩み始める中で、自らのルーツである「歌舞伎」と実父・猿翁さんへの思いを募らせていきます。そして20代半ばの1991年、意を決して父の公演先の楽屋をアポなしで訪ねました。しかし、そこで待ち受けていたのは想像を絶する冷酷な宣告でした。
実父である猿翁さんは、突如現れた香川さんに対し「大事な公演の前に挨拶もなく来るなど役者としての配慮に欠ける」「私は家庭を捨てたときからあなたとは無関係。私は父でもなく、あなたは息子ではない」と言い放ち、完全な絶縁を突きつけたのです。この痛烈な拒絶は、若き日の香川さんの心に深い爪痕を残しました。
しかし、時の流れとともに転機が訪れます。猿翁さんのパートナーであった藤間紫さんが晩年、父子の確執を解消すべく間を取り持ったのです。さらに猿翁さんが脳梗塞で倒れ療養生活に入ったことを機に、血のつながりと澤瀉屋の未来を憂う思いが父子を再び引き合わせました。2011年、香川照之さんは46歳で歌舞伎の世界へ飛び込むことを決断。それは自らのためだけでなく、息子の政明(五代目市川團子)に澤瀉屋の正統な血脈を継承させるための命がけの挑戦でした。