増税メガネの真相と由来|岸田政権を揺るがした不名誉なあだ名の全貌
ネット空間で過熱した「増税メガネ」論争ですが、政策の事実関係を冷静に検証すると、世間一般に広く信じられていた認識と現実との間にはいくつかの見逃せない盲点があります。
① 岸田政権下で「大型の消費税・所得税増税」は即時施行されていなかった
ネット上では「岸田首相が就任してから次々に大増税が実施された」というイメージが定着していますが、事実として岸田政権の任期中に消費税率の引き上げや基礎的な所得税率の引き上げが直接施行されたわけではありません。防衛増税についても施行時期の先送りが決定されており、退職金課税や通勤手当課税の見直しも「中長期的な検討課題」にとどまっていました。つまり、「増税が議論されたこと」と「実際に増税されたこと」が世論の中で混同され、実態以上の増税イメージが先行していたのが実情です。
② 最大の負担増要因は「インフレに伴うステルス負担」と「社会保険料」
国民が日々感じていた強烈な家計圧迫の主因は、税率そのものの引き上げではなく、数十年来の急速な物価高(インフレ)と、毎年自動的に引き上げられてきた社会保険料でした。インフレ下では、所得が増えなくても消費額が増えるため消費税の支払額が増え、名目賃金の上昇に伴って税率のブラケット(所得階層)が上がる「インフレ増税」が発生します。政府はこの構造を丁寧に説明し是正する前に、防衛費や少子化対策といった新たな「負担」を連想させる看板政策を前面に出したため、国民の怒りの矛先が一手に首相へ向かうこととなりました。