方言「はぶてる」の意味とは?広島・山口のリアルと怒るとの違いを解剖
検索でも頻繁に調べられる「はぶてる 方言 どこ」という疑問ですが、主な分布域は中国地方西部から瀬戸内海沿岸にかけての広大なエリアに広がっています。
筆頭として挙げられるのは広島弁と山口弁であり、両県では世代を問わず圧倒的な認知率を誇ります。さらに東へ進んだ岡山弁エリア、日本海側の島根県西部(石見地方)、そして瀬戸内海を挟んだ四国の愛媛県(中予・南予地方)や高知県の一部でも日常的に用いられています。かつて瀬戸内航路を通じて人や文化が活発に往来した歴史的背景が、この言葉の地理的な浸透を後押ししたと考えられています。
気になる語源・由来については、主に2つの有力な学説が存在します。
一つは、魚の「フグ(河豚)」が威嚇や警戒の際に腹を大きく膨らませる様子から転じたという説です。西日本、特に山口県下関市周辺ではフグを「ふく」と呼び珍重しますが、怒って頬をぷっと膨らませる仕草がフグの姿に重なることから「はぶてる」へと変化したと言われています。もう一つは、古語の「はぶく(仲間外れにする、除く)」や「食(は)む」に関連し、口元をゆがめる仕草から派生したとする言語学的アプローチです。いずれにせよ、感情が顔の表情、とりわけ「口元や頬の膨らみ」に露骨に現れる様子を捉えた言葉であることは間違いありません。