猫の錠剤の飲ませ方決定版!嫌がらずスルッと成功する獣医師直伝ワザ
投薬の気配を感じ取った途端に爪を立てて暴れる猫や、唸り声を上げて逃走してしまう猫に対して、力尽くで押さえつけるのは逆効果です。飼い主の怪我はもちろん、愛猫に強い恐怖心を植え付け、次回の投薬がさらに困難になる悪循環に陥ります。
猫が薬を飲まずに暴れる場合の対処法として、動物医療の現場で最も安全とされているのが「バスタオルによる保定方法(通称:ミノムシ巻き)」です。
【バスタオル保定の具体的な手順】
大判で厚手のバスタオルを平らな床やテーブルの上に広げ、その中央に猫を伏せの姿勢で座らせます。まずタオルの片側を持ち上げ、猫の首元から胴体、前足を巻き込むように反対側の脇腹へタイトに巻き付けます。続いて、反対側のタオルも同様に交差させてしっかりと巻き、最後に余った後方部分を足元とお尻の下へ折り込みます。ポイントは「前足がタオルの外に出ないこと」と「首が締まらない程度に密着させること」です。猫は四肢が適度に圧迫されて固定されると、野生の巣穴に入ったような感覚から不思議と興奮を鎮める習性があります。これにより、鋭い爪による引っかき事故を100%防止できます。
保定が完了したら、手早く猫用投薬器(ピラー)を活用します。ピラーとは、先端に錠剤を挟み込み、注射器のピストンのように押し出して喉の奥へ直接薬を射出する専用器具です。
猫の投薬器(ピラー)を使いこなすコツは、先端のシリコン部分に錠剤を深く挟みすぎないことです。軽く挟んでおかないと、押し出す際に余計な力が必要になり、発射のタイミングがズレてしまいます。猫の頭部を保定して上を向かせ、犬歯の後ろの隙間からピラーを滑り込ませて喉の奥に向けたら、一瞬でピストンをプッシュします。器具が喉の粘膜を傷つけないよう、先端が柔らかいシリコン製のものを選ぶこと、そしてピラーの先端を無理に喉の奥深くまで突っ込まないことが安全管理上の絶対条件です。