ピットブル事件の真相|相次ぐ噛みつき事故と飼い主の法的責任・規制

ピットブル事件の真相|相次ぐ噛みつき事故と飼い主の法的責任・規制の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。

愛好家の間では「家庭的で飼い主に極めて忠実」「愛情を注げば最高のパートナー」と語られるピットブルですが、生物学的な事実としてピットブルの危険性と気性には特異な側面が存在します。19世紀の英国で熊や雄牛と闘わせる「ブル・ベインティング」を起源とし、その後、犬同士を闘わせる目的でブルドッグとテリアを交配させて誕生した血統は、獲物に食らいついて離さない強靭な咬筋と、苦痛に耐え抜く高い痛覚閾値を獲得しました。

ドッグトレーニングの第一線で活動する専門家は、次のように警鐘を鳴らします。「どんなに高度な服従訓練を施していても、動く小動物や突発的な物音によって遺伝子に刷り込まれたスイッチが突然入るリスクをゼロにはできません。いわゆる『ゲームネス(最後まで闘志を失わない気質)』が発動した瞬間、家庭犬としてのしつけは完全に吹き飛んでしまいます」。

海外の研究機関が公表した犬種別の咬傷事故データにおいても、重大な致死・重傷事故におけるピットブルの関与率は突出しています。咬合力そのものはロットワイラーやマスティフと同等クラスであるものの、獲物を骨ごと砕くように頭部を激しく振る「シェイク行動」と「執拗なホールド」を組み合わせる攻撃パターンが、被害者の肉体に壊滅的な損傷を与える要因となっています。「愛情を持って育てれば絶対に噛まない」という言説は、遺伝的プログラムの現実を無視した極めて危うい思い込みと言わざるを得ません。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

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