六本木「香妃園」が愛される理由|名物とり煮込そばとカレーの全貌
香妃園のメニューを開くと本格的な広東・北京料理がずらりと並びますが、訪れる客の実に8割以上が注文するのが「特製とり煮込そば」と「ポークカレー」です。中華料理の枠組みを超えて愛されるこの2大巨頭には、緻密に計算された調理技術と独自の物語が存在します。
まず、不動の看板メニューである特製とり煮込そばは、熱々の土鍋で提供される白濁した鶏白湯仕立ての一杯です。丸鶏を骨の髄まで長時間じっくりと煮込み、旨味だけを抽出したスープは、濃厚なコクがありながらも脂っこさがなく、驚くほど軽やかな後味を誇ります。このスープを吸い込んだ柔らかめの煮込み特製細麺と、ほぐした鶏肉の相性は抜群で、飲酒後の胃に染み渡る「究極の締めの一杯」として絶大な支持を集めています。
そして、もうひとつの名物が中華カレー(ポークカレー)です。「なぜ本格中華料理店でカレーライスが名物なのか」という疑問に対する真相は、ベースとなるスープの圧倒的な質にあります。鶏ガラと豚骨の極上清湯スープに、独自ブレンドのカレー粉を合わせ、片栗粉でとろみをつけた黄色いルーは、どこか懐かしい昭和の洋食を思わせつつも、奥底に重厚な中華出汁の旨味が潜んでいます。大きめにカットされた豚肉とシャキシャキ感を絶妙に残した玉ねぎがゴロゴロと入り、一度口にすると病みつきになる中毒性を秘めています。