クラリネット運指表と替え指の極意!高音域の克服法とプロの練習術
クラリネットを手にして誰もが最初に戸惑うのが、「同じ指使いなのにレジスターキーを押すと、オクターブ上ではなく1オクターブ上のソ(12度上)の音が出る」という現象です。管楽器の多く(フルート、オーボエ、サクソフォンなど)は円錐管または開管構造を持つため、オクターブキーを押すことで第2倍音(1オクターブ上)が鳴ります。一方で、クラリネットは円筒形の閉管構造という音響特性を備えており、物理的に偶数倍音が発生しにくく第3倍音(完全12度上)で共鳴します。
この音響上の理由から、クラリネットのドレミ初心者指使いでは、低音域(シャリュモー音域)で覚えた「ド・レ・ミ」の運指にクラリネットのレジスターキーの使い方を組み合わせると、中高音域(クラリオン音域)では「ソ・ラ・シ」へとシフトします。つまり、1オクターブ上がった同じ音名を演奏する際に全く別の指使いを要求されるため、他の木管楽器に比べて覚えるべき運指パターンが実質的に倍近く存在するのです。
現在世界中で広く普及している「フランス式(ベーム式)クラリネット」は、17個のキーと6個のリングを巧みに連動させることで、この複雑な音響構造を人間の10本の指で無理なく操作できるよう設計されています。運指の習得をスムーズに進めるためには、まず楽器全体の音域が「シャリュモー(低音)」「スロートトーン(喉音)」「クラリオン(中高音)」「アルティッシモ(超高音)」の4層に分かれている構造を頭にインプットすることが第一歩となります。