海猿の原作と実写の乖離と確執の全貌|なぜ再放送や配信は消えたのか
2012年10月、佐藤秀峰氏が自身のSNSで「フジテレビとは今後一切仕事をしない」旨を公に表明したことで、両者の対立は白日の下に晒されました。表面化した引き金は大きく分けて2件の重大なルール違反でした。
第1に、フジテレビ系列の関連部署による「アポなし突撃取材」です。当時、佐藤氏が主宰するオフィスに対し、事前連絡や合意形成のないまま情報番組スタッフが強引な取材を試みたことで、クリエイター側のプライバシーと信頼関係が著しく損なわれました。
第2に、映画公開に合わせた「関連書籍の無許諾出版」です。原作者の許諾や契約書面での事前合意を経ないまま、フジテレビ側主導でオフィシャルブックなどの関連出版物が制作・流通していた事実が発覚しました。佐藤氏は「著作権を預かる側としての最低限の仁義と法規範が守られていない」と痛烈に批判しました。
後に佐藤秀峰氏がプラットフォーム「note」などで赤裸々に綴った告発手記によると、トラブルの根底には撮影現場における原作者の軽視、意図に沿わない脚本改変、そして数千万円から数十億円単位の興行収入が動く巨大ビジネスにおいて原作者が単なる「下請け素材提供者」のように扱われてきた長年の不満が蓄積していたと明かされています。