アメリカンコーヒーとは?薄い珈琲の誤解と本当の作り方・違いを徹底解剖

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アメリカンコーヒーという名称の成り立ちには、アメリカ合衆国の歴史と日本独自の喫茶文化が複雑に交差しています。ルーツを辿ると、1773年の「ボストン茶会事件」を機に、アメリカ市民が紅茶の代わりに愛飲し始めた歴史に行き着きます。当時、貴重だったコーヒーをマグカップで大量に、喉の渇きを潤すようにゴクゴク飲むスタイルが定着し、これが「アメリカンロースト」と呼ばれる軽やかな焙煎度を生み出しました。

その後、第二次世界大戦後にアメリカ軍が持ち込んだ合理的な大容量ドリップ文化が日本に紹介され、日本のコーヒー業界が「アメリカ人のように大きめのカップですっきりと飲む珈琲」を和製英語として「アメリカンコーヒー」と命名しました。つまり、本国アメリカで「American Coffee」と注文しても基本的には通じず、現地では「Drip Coffee」や「Light Roast Coffee」と表現するのが通例です。

2010年代以降のサードウェーブコーヒー(スペシャルティコーヒー)ブームによって、豆の産地固有のテロワール(個性)を引き出す「浅煎り・シングルオリジン」が世界的な潮流となりました。日本の伝統的なアメリカンコーヒーが追求してきた「浅煎りによるフルーティーな酸味とクリアな質感」は、現在のスペシャリティコーヒーカルチャーの思想と見事に合致しています。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。