「対岸の火事」の意味と誤用を徹底解剖!ビジネスで恥をかかない正しい使い方

「対岸の火事」の意味と誤用を徹底解剖!ビジネスで恥をかかない正しい使い方を徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を分かりやすく展開します。

「先日の取引先のシステム障害は、弊社にとっても対岸の火事として見守っております」――もしこのようなメールを取引先や上司に送ってしまえば、ビジネスパーソンとしての評価は失墜を免れません。現在、若手から中堅層にかけて対岸の火事の使い方における誤用が水面下で増加しています。

文化庁が過去に実施した「国語に関する世論調査」や近年の社内コミュニケーション実態調査データを分析すると、慣用句の意味を取り違えて「冷静に対処する」「客観的に静観する」といった前向きな意味合いで捉えてしまっているビジネスパーソンが一定割合存在することが判明しています。しかし、前述の通りこの言葉には「冷酷な傍観」のトーンが染み付いています。

ビジネスシーンでこの言葉が唯一と言ってよいほど安全に機能するのは、「対岸の火事ではない」という否定の文脈で危機管理を訴える局面です。他社で起きた不祥事、サイバー攻撃被害、コンプライアンス違反のニュースを受け、「決して対岸の火事ではない。直ちに自社のセキュリティポリシーを再点検せよ」と号令をかける場面がこれに該当します。自らを安全圏に置かず、「明日は我が身」という当事者意識を組織に植え付けるための反語的修辞としてのみ、ビジネスでの正当性を持ち得ます。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。