阪神横田慎太郎の奇跡と闘病の真実|背番号24が遺した魂の軌跡

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診断後、横田は過酷を極める治療へと身を投じます。約半年間に及ぶ入院生活のなかで行われたのは、開頭手術、大量の抗がん剤投与、そして連日の放射線照射でした。副作用による激しい吐き気、全身の倦怠感、精神的な絶望感に襲われる日々。その闘病生活を最も間近で支えたのが、母・まなみさんをはじめとするご家族の存在でした。関係者の証言によると、母は病室に泊まり込み、弱音を吐きそうになる息子の手を握り続け、再びグラウンドに立つ日を信じて励まし続けたといいます。

2017年秋、懸命な治療が実を結び、腫瘍は完全寛解に至りました。しかし、病魔は過酷な後遺症を残していました。放射線治療や手術の影響により、視神経に重大なダメージが残ったのです。視野が狭まり、距離感が掴めず、動く物体がぼやけて二重に見える。日常生活には支障がなくても、時速140キロを超える白球をミリ単位で捉えなければならないプロ野球選手にとって、視力低下は致命的なハンデでした。

それでも横田は諦めませんでした。球団は育成選手契約を結んで復帰の道を整え、当時の二軍監督であり、のちに一軍を率いた矢野燿大監督は「慎太郎の姿そのものがチームの光になる」と温かく、かつ厳しくグラウンドへと迎え入れました。懸命なリハビリと特守を重ねたものの、1軍はおろか2軍の打席でもボールを見極めることができない日々が続きます。「これ以上、チームや自分自身に嘘はつけない」。2019年9月、横田は24歳という若さで現役引退を決断しました。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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