郵政民営化とは何だったのか?小泉改革の真相と失敗論の現在地
民営化のリアルな手触りは、統計データ以上に現場の叫びに現れています。大手掲示板やSNS、知恵袋に寄せられる現役局員や地方住民の声を取材・検証すると、制度と現実の断絶がより鮮明になります。
都内の郵便局に勤務する40代の配達局員は、次のように胸中を吐露します。
「郵便物は確実に減っているのに、再配達や個別指定の手間は増える一方です。ヤマト運輸や佐川急便など競合との物流価格競争に巻き込まれ、人手不足は極限状態。かつて誇りだった『公務の配達』という意識は消え失せ、現場は毎日の業務を回すだけで擦り切れています」(取材データより)
また、東北地方の過疎地に暮らす70代の住民からは、切実な不安の声が聞かれます。
「村から民間の銀行がすべて撤退した今、郵便局だけが唯一の金融機関です。でも、窓口の局員さんは年々減り、最近ではATMの稼働時間も短縮されました。局長さんが近所の一人暮らしの様子を見に来てくれた昔のような温もりはなくなり、いつ局そのものが閉鎖されるかと毎日ヒヤヒヤしています」
ソーシャルリスニングを通じた世論調査を見ても、「郵便が届くのが遅くなった」「土曜に届かないのは不便」という実用面への不満が圧倒的多数を占めています。「民間企業の競争原理を取り入れてサービスが向上する」という当初の触れ込みとは裏腹に、一般の国民が実感しているのは実質的なサービスの切り捨てというギャップが横たわっています。