「玉に瑕」の本当の意味と由来|「玉に傷」との違いやビジネスでの注意点

「玉に瑕」の本当の意味と由来|「玉に傷」との違いやビジネスでの注意点の要点や背景をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。

玉に瑕の読み方は「たまにきず」です。同じ意味で玉の瑕(たまのきず)と呼ばれることもあり、どちらも古くから日本語の中で定着してきた慣用句です。

この言葉を構成する漢字を分解すると、その本質的な意味が浮き彫りになります。

  • 「玉(たま)」:美しく磨き上げられた宝玉、宝石、翡翠(ひすい)のこと。転じて「非の打ち所がない優れた人物や事物」を象徴します。
  • 「瑕(きず)」:宝石の表面にある微細な割れ目や濁り、変色を指す漢字。刃物や打撲でつく肉体的な外傷(傷)とは異なり、「本来完璧な鉱物に生じた小さな欠損」を表します。

すなわち、玉に瑕の意味とは「全体としては非常に優れていて美しいにもかかわらず、ほんの少しだけ惜しい欠点があること」を指します。重要なのは、主眼が「欠点の酷さ」ではなく「全体の圧倒的な素晴らしさ」に置かれている点です。劣悪なものに対して小さな欠点を指摘する際には使えません。

玉に瑕の語源は、古代中国の文献に見られる宝玉への観察眼に遡ります。『抱朴子(ほうぼくし)』や『淮南子(えなんじ)』などの古典において、完璧な名玉であっても微小な瑕(きず)が存在することや、それを補って余りある価値があることが度々説かれてきました。日本には漢籍の輸入とともに平安期前後から概念が伝わり、中世以降の和歌や随筆、近世の文学作品を通じて一般表現として定着していった経緯を持ちます。

前田 葵

前田 葵

サステナビリティ研究家

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。