滋賀・河内の風穴に潜む危険と事故の真相!年中12度の秘境を徹底解剖
鈴鹿山脈の北西部に位置する滋賀県多賀町。霊仙山(りょうぜんさん)塊に広がるカルスト地形の地下深くに形成された河内の風穴は、約55万年前の古生代に石灰岩が地下水によって侵食されてできた天然の鍾乳洞です。古くは江戸時代の地誌にもその存在が記録されており、かつては穴の奥が伊勢や京都の保津峡まで通じているという荒唐無稽な伝説すら語り継がれてきました。
長年にわたり洞窟の全貌は謎に包まれていましたが、関西ケイビングクラブをはじめとする専門調査隊の継続的な学術探査により、従来の推定値であった6,800メートルを大幅に更新。現在では総延長10,020メートルであることが学術的に証明され、岩手県の安家洞などに次ぐ国内第4位のメガケイブとして認知されています。
しかし、観光客が足を踏み入れることができるのは、その広大な地下迷宮のごく一部、入口から約200メートルほどのエリアに限られています。洞窟の入口は高さわずか1メートルほどしかなく、大人が腰を深く屈めなければ潜り込めない極小の隙間です。その狭隘なゲートをくぐり抜けた瞬間、目の前には天井高十数メートル、総面積1,544平方メートルにおよぶ巨大な第1層の大広間が広がり、訪れる者を圧倒します。