サヘラントロプス・チャデンシスは最古の人類か?700万年の真相
Q1:サヘラントロプス・チャデンシスはチンパンジーの祖先なのですか?
A1:チンパンジーの直系祖先ではなく、遺伝的・形態的な特徴から「チンパンジー系統と分岐した後のヒト系統(初期猿人)」に属すると考えられています。ただし、分岐直後の年代であるため、チンパンジーと人類の共通祖先の姿を色濃く残している重要なモデル生物と位置づけられています。
Q2:なぜ東アフリカではなく、中央アフリカのチャドで見つかったことが大事件なのですか?
A2:長年「人類は大地溝帯が隆起した東アフリカの乾燥地帯で誕生した」という説(イーストサイド・ストーリー)が定説でした。しかし、チャドという西側での発見により、初期人類がアフリカ大陸の広範囲にわたる森林・湖沼環境で多様に適応放散していたことが証明され、従来の進化シナリオが白紙撤回されたためです。
Q3:なぜ脳が小さいのに「人類」と呼べるのですか?
A3:古人類学において「ヒト科(ヒト族)」を定義する基準は、脳の大きさではなく「直立二足歩行の痕跡(大後頭孔の位置や大腿骨の構造)」と「犬歯の小型化・非鋭利化」にあるためです。サヘラントロプスはこの2つの決定的な人類的特徴を備えているため、初期猿人として分類されます。