ステンレスとアルミ見分け方の罠|磁石がつかない真相とプロの判別法
外見や手触りだけではどうしても特定できない板材や削り出し部品に対して、工場や解体現場では「破壊検査」や「化学反応」を用いた確定診断が行われます。
代表的な手法が、グラインダー火花試験の判定基準を用いた識別です。高速回転する砥石に金属片を押し当てた際、ステンレス鋼はクロムやニッケルを含んでいるため、暗赤色から明るい黄橙色の細く長い火花が飛び、先端で繊細に枝分かれ(破裂)します。これに対し、アルミニウムは砥石に押し当てても一切火花を散らしません。むしろ熱で軟化したアルミが砥石の砥粒の間に溶着し、激しい「目詰まり」を起こして摩擦熱のみを発生させます。安全な防護具を着用した上でサンダーを当てれば、火花が出るか出ないかで瞬時に100%の白黒がつきます。
もう一つの確実な手法が、酸性溶液による金属腐食反応の検証です。家庭用であれば強酸性のトイレ用洗剤(希塩酸含有)や酢酸、工場であれば希硝酸や水酸化ナトリウム(強アルカリ)を金属の微小な傷口に一滴垂らします。アルミニウムは「両性金属」であるため、酸にも強アルカリにも激しく反応し、泡(水素ガス)を噴き出して表面が白く溶損します。対してステンレス鋼は、含有するクロムが瞬時に強固な不働態皮膜(酸化クロム被膜)を形成するため、短時間の酸接触ではほとんど反応せず、表面の光沢を維持します。