インサイドヘッド・ビンボン消滅理由と2再登場の真相!涙の結末解説

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作品の中盤から終盤にかけて訪れる、映画史に残る切ないクライマックス。それが、忘却された記憶が集まる底なしの暗黒空間「思い出のゴミ捨て場」からの脱出劇です。

感情の司令部から弾き飛ばされ、ライリーの精神世界を放浪していたヨロコビ(Joy)とビンボンは、崩落に巻き込まれて二度と戻れないとされるゴミ捨て場の底へと転落してしまいます。そこで放置されれば、やがて色を失い、誰からも思い出されずに空気中へと霧散する運命が待っていました。

脱出の唯一の手がかりとなったのが、ライリーが幼少期に遊んでいた「ほうきロケット付きのワゴン車」でした。このロケットは燃料ではなく、ライリーとビンボンが一緒に歌っていた「ビンボンの歌」の声量とエネルギーに反応して加速する仕組みです。ふたりは声を枯らして歌い、坂道を駆け上がって飛び立とうとしますが、大人へと近づきつつある二人の体重を支えきれず、脱出ラインである崖の手前で何度も失速・落下を繰り返します。

残された時間はわずか。その瞬間、ビンボンは自らの体をそっと見つめ、すでに先端から色が褪せ始めていることを悟ります。迎えた3度目の挑戦。ふたりで全力の歌声を響かせ、ロケットが最高潮の加速を見せたその刹那、ビンボンはヨロコビの背後から静かにワゴンを飛び降りました。

重荷から解放されたロケットは一気に浮力を増し、ヨロコビを乗せて見事に断崖の上へと到達します。見上げた崖の上で歓喜するヨロコビに対し、暗い谷底に残されたビンボンは満足そうに微笑みながら、自らの体が透き通っていくのを受け入れました。そして、アニメーション史に刻まれる屈指の名言を残します。

「僕の代わりに、彼女を月へ連れて行ってあげて」

ライリーがかつて無邪気に語っていた「ロケットに乗って月へ行く」という幼い夢。自らは忘れ去られようとも、ライリーが再び笑顔を取り戻し、前を向いて生きられるのなら悔いはない――。ビンボンの消滅は、純粋な愛と自己犠牲が結晶化した、あまりにも美しく残酷な結末でした。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。