ブラジル産鶏肉の危険性と安さの真相|抗生物質・過去の事件を徹底検証
ブラジル産鶏肉に対して今なお根強い不信感が残る最大の原因は、2017年3月に現地で発覚した「カルネ・フラッカ(汚職肉)作戦」と呼ばれる大規模スキャンダルです。この事件の構図と、その後の安全対策の進化を正しく把握しておく必要があります。
当時の報道やブラジル連邦警察の発表によると、問題の本質は食肉加工大手(JBSやBRFなど)の元従業員や一部工場が、衛生監視官に賄賂を渡して検査をパスさせ、消費期限切れの肉に化学物質を混ぜて臭いをごまかしたり、水増し加工を行ったりしていたという汚職・不正問題でした。世界中で激震が走り、日本政府も即座に対象施設からの輸入停止措置や輸入時の全ロット検査を実施しました。
この事件はブラジル経済にとっても致命的な打撃となり、同国政府は国家の信用を取り戻すために検査・監査体制を抜本的に再編しました。工場の衛生管理システムをデジタル監視化し、第三者認証機関や輸入国の抜き打ち査察を受け入れる体制を整備。現在日本へ鶏肉を輸出できるのは、農林水産省および厚生労働省が安全性を承認した認定登録施設に厳しく限定されています。
一方で、近年の国際的な衛生環境には新たな緊張も走っています。2026年から2026年にかけては欧州連合(EU)がブラジル産の一部動物由来製品に対して流入停止措置を講じる動きを見せるなど、国際基準のクリアをめぐる駆け引きは続いています。また、世界的に猛威を振るう高病原性鳥インフルエンザについても、ブラジル国内の商業養鶏場で発生が確認された際には、日本政府は即座に対象となる「州」からの家禽肉輸入を一時停止する地域主義(リージョナライゼーション)に基づく水際対策を発動しています。事件の教訓があるからこそ、現在は国内外の監視の目がかつてないレベルで光っているのが実情です。