月9『好きな人がいること』主題歌の歌手は誰?Jyの現在と名曲の真相
主題歌「好きな人がいること」が単なるドラマのタイアップ曲に留まらず、平成を代表するロングセラーとなった背景には、細部まで計算し尽くされたクリエイティブの結集がありました。CD発売日は2016年8月31日。先行フル配信がスタートするやいなや、主要音楽チャートの1位を総なめにし、配信開始からわずか数週間で各サブスクリプションサービスの首位を独走する快挙を成し遂げました。
特筆すべきは、共作クレジットに名を連ねた知英自身が作詞作業に深く関与していた点です。音楽プロデューサーの山本加津彦氏と幾重にもディスカッションを重ね、彼女自身の青春時代の記憶や、当時の20代女性が抱える「好きな人の前で素直になれないプライドと臆病さ」を歌詞へと落とし込みました。
「もし5分前に戻れるなら」「あと数センチの勇気があれば」というフレーズに象徴される歌詞の世界観は、恋愛における心理的葛藤と自己防衛の境界線をリアルに捉えています。相手に嫌われたくないからこそ強がってしまう、そんな誰もが一度は経験する心の揺らぎを、決して重たくならずに跳ねるようなアップテンポのメロディに乗せて肯定する――この絶妙な心理バランスこそが、十代の中高生から同世代の女性層まで幅広い共感を呼んだ要因です。
また、楽曲の魅力を視覚的に爆発させたのが、世界的な写真家であり映画監督の蜷川実花氏がメガホンを取ったミュージックビデオ(MV)でした。MVの撮影ロケ地に選ばれたのは、常夏の島・グアム。青く澄み渡るタモン湾のビーチ、カラフルなチャモロビレッジの街並み、レトロなアメリカンダイナーなど、南国特有のヴィヴィッドなロケーションを舞台に撮影が行われました。作中で知英が見せる7パターンに及ぶ衣装チェンジと、蜷川実花特有の原色に満ちた映像美は、公開直後から「映画のように美しい」「ファッションアイコンとしての魅力が凝縮されている」と熱狂的な反響を呼びました。