忠犬ハチ公の真実|なぜ10年待った?死因の真相と剥製が語る絆
ハチ公の物語を正しく理解するには、まずその誕生から最期に至る劇的な歴史を振り返る必要があります。忠犬ハチ公の秋田犬としての歴史は、大正時代末期に始まります。
ハチは1923年(大正12年)11月10日、秋田県北秋田郡二井田村(現在の大館市)の農家で生まれました。当時、日本の在来犬種としての秋田犬は洋犬との交雑が進み、絶滅の危機に瀕していました。そうした中で純血種に近い秋田犬の保存運動が始まっており、ハチも生後間もなく東京帝国大学(現・東京大学)農学部の教授であった上野英三郎(うえの ひでさぶろう)博士のもとへと送られることになります。
上野博士とハチが実際に暮らした期間は、わずか約1年4ヶ月(16ヶ月)にすぎませんでした。しかし博士は、虚弱だったハチを自宅の寝室に引き入れて一緒に寝るほど溺愛し、深い絆を育んでいたと当時の家政婦や関係者の手記に記録されています。