長引く咳の正体は心因性咳嗽か?薬が効かない理由と最新の治し方
心因性咳嗽は小児期から成人期まで幅広い年代に見られますが、その発症背景や咳の臨床像には世代間で明確な差異が存在します。
小児期の心因性咳嗽は、学童期から思春期にかけて好発します。音の特徴として「ケンケン」という犬の鳴き声(犬吠様)やガチョウの鳴き声(honking cough)に似た甲高い異常音を発することが少なくありません。周囲の大人が心配して過剰に注目したり、咳を止めさせようと叱責したりすることで緊張が跳ね上がり、症状が固定化するケースが目立ちます。背景には、学校での友人関係やいじめ、過密な習い事や中学・高校受験へのプレッシャー、あるいは「良い子でいなければならない」という家庭内の無言の期待が存在することが多々あります。
一方、大人の心因性咳嗽は、喉の奥に何かが張り付いているような違和感(咽喉頭異常感症、いわゆるヒステリー球)を伴う、乾いた「コンコン」「エッヘン」という咳払いの連続として現れやすい傾向にあります。成人患者の回復の経緯を取材すると、異動や昇進、過重労働、介護などの複合的な環境要因が引き金となっていることが大半です。「重大な肺の病気ではないか」という病気への恐怖心(疾病不安)が交感神経を刺激し、知覚過敏を長引かせるパターンが多く見られます。