自転車の手信号は法律上の義務?青切符と片手運転の真相に迫る
ネット上の解説記事などで頻繁に見られる「法律通り、交差点の30メートル手前から曲がり終えるまでずっと手信号を出し続けなければならない」という言説は、現場の安全を無視した極めて危険な誤解です。
確かに道路交通法第53条第1項には「その行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない」と書かれています。しかし、実際に交差点を曲がる瞬間、あるいは急な減速を強いられる瞬間に片手運転を維持していれば、前輪の急なブレに対応できず、ブレーキの制動力も半減します。フロントブレーキしか使えない、あるいはリアブレーキしか使えない状態でのカーブ進入は、即座のスリップ事故に直結します。
警察庁や各警察本部の自転車安全教育講習では、実態に即した指導が行われています。実務的な解釈としては、「進路変更や右左折を行う手前で周囲の安全を確認し、数秒間しっかりと腕を伸ばして意図を示したら、曲がる直前には手をハンドルに戻して両手で確実に制御する」ことが推奨されています。安全確保ができない状況での「継続の原則」の墨守は、法律の主旨である事故防止を本末転倒に陥らせる典型例です。